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2017年1月6日 小尾隆の日誌 本館
ローリング・ストーンズ〜先鋭と大衆性
最初のGOT LIVE IF YOU WANT ITが人気にあやかった疑似ライブだとしたら、グリン・ジョンズをプロデューサーに据えた『GET YA YA YAS OUT』はもっと自覚的なライブ・アルバムだと言えるだろう。新加入したばかりのミック・テイラーの凄さを見せつけ、時代考証としてはオルタモントの悲劇を想起させる。そんな意味でもこのアルバムに特別な感情を抱くファンは少なくないのでは?本作は1969年の11月27日と28日に行われたN.Y公演の2日間(昼夜計4回のステージ)から抜粋された作品であり、今であればB.B.キングとアイク&ティナ・ターナーがオープニング・アクトを飾った完全版がリリースされている。黒人音楽と共振したストーンズという意味でも聞いておきたい。そしてチャック・ベリーの「CAROL」と「LITTLE QUEENE」が原曲より遥かにスローダウンされ、粘っこいビートとともに新解釈されている点に、当時トレンドになりつつあったスワンプ・ロックの萌芽を感じる。実際この69年に彼らはアラバマ州マスル・ショールズを訪れ、「BROWN SUGAR」「WILD HORSES」フレッド・マクドゥエルの「YOU GOTTA MOVE」の3曲をレコーディングしている。米公民権運動の盛り上がりとパリ革命の時代を横目で睨みつつ、「俺ら貧しいロンドンっ子は、ロックンロール・バンドで歌うだけなのさ」と「STREET FIGHTING MAN」で俯瞰したミック・ジャガーに驚愕する。その一方には酒場に集まる人々の心情に寄り添った「HONKY TONK WOMEN」がある。いわば新進の気勢と大衆的な娯楽との止揚(アウフヘーベン)をストーンズはまさに実践したのだった。英作家ニック・ホーンズビーの自伝的な小説『ハイ・フィデリテ            ィ』には、こんな一節がある「ねえ、あなたが付き合っているのは、BROWN SUGARに合わせて”フ〜フ〜!”なんて拳を振り上げ騒いでいる愚かな人たちなのよ」そんなガール・フレンドを、主人公はこう宥める「いいかいダーリン、ぼくはもうそんな時期をとっくにやり過ごしたんだよ。ぼくはストーンズが愛おしい。最新のダンスには付いていけないけど、マーヴィン・ゲイのWHAT'S GOING ONを聞いて今も感動する。もっと素直にならないかい?」
 
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小尾隆
(オビ タカシ)
音楽著述業/1958年東京都生まれ。1990年から自分の歩調で執筆活動を続けている。代表著作に『Songs-70年代アメリカン・ロックの風景』 (1997年)があり、増補改訂された同書の2007年版が日本図書館協会の推薦図書に指定に。
趣味は大衆文学とウォーキング。ギタリストではデイヴ・メイソンやヘンリー・マカロックなど、”遅弾き”の人がとくに好きです(笑)。
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